2013年10月31日

大型作品が並ぶFIAC

FIAC1.jpg
フランス最大のアートフェア、FIAC。今年は10月24〜27日、パリのグラン・パレをメーン会場に開かれた。日本ではアートフェアというと売りやすい小品を並べたイベントと思われているが、世界中の資産家が集まってくるこの会場には「小品」という言葉はないかのようだ。

荷物検査を経て中に入ると、まず目に飛び込んでくるのは中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイの「Iron Tree」(下の写真)である。台を含めて高さ約7メートル。ブースの壁より高いのだから目立たないはずがない。タイトルの通り、木をかたどった鉄の彫刻である。ベルリンのNeugerriemschneiderはこの1点だけを出していた。

2013fiac.JPG
続いて目を引いたのがフランスのYvon Lambertのブースにあったベルトラン・ラビエの作品「ディーノ」(上の写真)。制作方法については知らないが、「フェラーリ・ディーノGT4」をぶっつぶしたオブジェである。この作品は、トルコのコレクターがプレビューの日に25万ドル(2450万円)で購入したそうだ。

Peter Freeman(パリ、ニューヨーク)のブースは床一面、木のバット(野球のバット)で覆われていた。最初、入ってはいけないのかと戸惑ったが、ほかの人は遠慮なくバットを踏みつけて歩き回っていた。米国出身のデビッド・アダモのインスタレーションである。この作品も売れていた。

2.7×2.1メートルの平面ばかり7点を展示していたギャラリーもあり、とにかく作品がデカい。こうした大きな作品は日本の土壌からは生まれてきにくいことはたしかだ。野球とベースボールが違うように、美術とアートは違うと思わなければ仕方がない。今回のFIACの出展者は180以上。中国、韓国からの出展はあったが、日本のギャラリーは出ていなかった。
posted by Junichi Chiba at 22:35| 海外