2012年12月22日

Skypeで「生放送」

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きょうは橘画廊の今年最後の展覧会の日であり、刀川(たちかわ)昇平展の最終日であった。広島在住の若手美術家、刀川は普段、地元の子ども向け絵画教室で先生をしている。きょうはその絵画教室の年内最後の日でもあったが、代役を頼み、大阪に来ていた。彼は子どもたちに年末のあいさつをしたかったからか、スマートフォンでSkypeというビデオ通話の機能を使い個展の様子の「生放送」を試みた。

「今、大阪の橘画廊というギャラリーに来ています。皆さん、見えますか。では、階段を降りて行きます」。建物の入口から「中継」を始めて、階段を降り、地下1階のギャラリーのドアを開けるといった具合に、臨場感ある演出を心掛けていた。ディレクター兼カメラマン兼レポーターである。

「じゃぁ、一番大きな絵(100号)のところに行きますね。先生は植物が好きで、いつも植物の絵を描いています。皆さんがきょう使ったのと同じアクリル絵の具を使って描いています」。広島では1台のパソコンを10人前後の小学生たちが取り囲んでいて、その様子はスマホの画面の片隅に映る。評判は良かったらしく、「おーっ」という広島側の歓声が聞こえてくる。

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ディレクター兼カメラマン兼レポーターと言ったが、出演者のアーティストでもある。一体、一人何役なのだろう、というくらいの張り切りようだ。結局、正午と午後2時半、それぞれ約10分ずつ、ギャラリーから「生放送」をした。子どもたちにとって、テレビのようなものに出てくる人はヒーローである。宇宙ステーションからの生中継を見るのと同じような感覚で見ていたのではないかと、刀川は言う。

彼がそこまで張り切ったのには理由がある。「今回の個展の出来が自己ベスト」という自信がそれだ。会期中、見ていただいた方からは出品点数(24点)が多過ぎるという指摘もあった。私もどちらかと言えば、いらない作品をどんどんカットしていきたいたちだが、平面と立体を組み合わせて空間をつくるというコンセプトからすれば、妥当な数だったかもしれない。これからは一点一点のクオリティーをさらに上げていくことだろう。

「生放送」の最後に刀川が言った。「よいお年を〜」。
タグ:刀川昇平
posted by Junichi Chiba at 20:37| アート