2017年11月19日

非日常の美容室

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400u以上の部屋に22席。こんなに広い美容室があるとは知らなかった。東京・表参道のNORA HAIR SALON(ノラ ヘア サロン)である。そこで今、写真家、柴田謙司の展覧会が開かれている(2018年1月28日までの予定)。色とりどりの花を氷に閉じ込めて撮影した「Locked in the Ether」シリーズの34点(新作あり)と他作品2点の計36点。柴田にとっては過去最大規模の展示だ。

インターネットで美容室の予約はできるが、ネットで髪を切ることはできない。お客さんは必ず美容室に足を運ぶ。美容室に行ったら壁を見る。つまりNORAのお客さんはこの会期中、壁にある柴田の作品を必ず見てくれる。髪を切っている間ずっと作品を見てくれることだってあるだろう。

しかし面白いと思ったのはその点だけではない。搬入のときは営業時間終了後の夜間ということもあって気づかなかったが、後日、昼下がりに再訪すると、若い美容師がきびきびと動いていて、何か特別な空間をお客さんとスタッフが共有しているように感じられた。髪を切ったりシャンプーしたりというのは日常のことではあるが、ここではイベント感とでも言ったらよいのか、美容室の枠を超えた非日常の雰囲気が生まれていた。

この会場に合わせて柴田は今回、大きな写真をコンクリートの壁に直接貼ったり、布にプリントした写真を天井から吊るしたり、新しい方法を試みている。本人は「(新しい方法は)遊びです」と言っていたが、同じ作品を見るにしてもネットの画像で見るのとは違い、経験性という要素が加わって心理的な効果が上がっているのではないだろうか。

NORAは地下鉄表参道駅から徒歩3分。受付のスタッフの方に声をかければ展示の鑑賞だけでも入店OK。11月8日にはここで、キングコング西野亮廣さんの「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」の出版記念パーティーが開かれた。
タグ:柴田謙司
posted by Junichi Chiba at 17:42| アート