2017年10月22日

会議室のアートワーク

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都内某企業の会議室に芝田知佳のアートワークを飾っていただいた。原画を撮影し、引き伸ばして印刷した壁紙が専門の業者によって壁全体に施工された。電車、恐竜の骨、コーヒーカップといった脈絡のないモチーフの連なりがどこまでも流れ続けるようなイメージをつくり出している。独特の落書き風の絵だから落ち着かないかなと少し心配していたが、輪郭がぼんやりしているからか、オフィスの環境に溶け込んでいてホッとした。

今年制作した原画(麻布、顔料、型染め、ドローイング)は100 x 155センチのサイズ。これを拡大し、280 x 540センチの壁に当てはめた。青、緑、黄と、背景の色を変えて、3部屋分。部屋と部屋の間の可動壁をはずすと、ざっと17メートルくらいの幅で芝田の絵を見渡すことができる(通常の業務でそうした状況はないかもしれないが)。まるで壁全体がシバタチカといった感じだ。

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いつもの通り、テーマは「記憶」。思い出につながるモチーフやそこから派生するイメージで画面を構成している。電車や恐竜の骨などのモチーフはまだわかりやすい方で、かなり意識して見ないと、一つ一つのモチーフは何だかよくわからない。クローズアップで見たときに、あぁ、あれはティーポットだなと気がついても、隣に視線を移すと、また何だかわからず、ヒントを求めて視線がさまよってしまう。それでも全体を見れば、活きがよく伸びやかで、見る人を元気にする雰囲気がある。

2013年の最初の個展のときは、小品ばかりということもあって、記憶の断片を拾い集めてポップな画面を作っているのだと思っていたが、たくさんのモチーフがつながるように積み重なった絵をこれだけ大きなサイズで見ると、新しい発見があった。細部の描き込みと全体のおおらかさのバランスの魅力である。
タグ:芝田知佳
posted by Junichi Chiba at 16:02| アート