Infinity Japan 2016のプレイベントとして、アジア一の超高層ビル「台北101」のロビーで開かれた展覧会に福元章子の日本画「醒めない夢を」(50号、116.7 x 90.9 cm)を出品した(写真右から3枚目)。台北101はその名の通り地上101階建て、高さは509.2メートル。証券取引所や外資系企業が入居する最先端のオフィスビルであり、一大観光スポットでもある。このプレイベントはInfinity Japanに参加するインセンティブの一つだった。
会期は2月26日までの約1カ月だったが、春節の休みをはさんだから実質約3週間だったろうか。1月下旬に作品を送り出し、あとは主催者にお任せだったので、会期終了間際の2月25日、アートフェア本番のために現地に入ってから、初めて実際の展示を見た。1階に「GALLERY101」というスペースがあり、通路からも福元の作品が目に入った。
これだけなら、予定通り展示されたことを確認して話は終わりである。しかし展示構成は意表を突くものであった。福元の右隣2点はなんと草間彌生の作品で、左は1点間にはさんで村上隆の作品なのである。Infinity Japanは日本の現代アートに特化したアートフェアだから、日本のアーティストの作品が並ぶのは当然なのだが、巨匠にはさまれてというよりも、まるで左右に何とか菩薩を従わせた本尊のごとく福元の絵が飾られていたのだった。
まぁ、おそらくは作品のサイズの関係で、こうした配置にしたのだろう。当初は100号(長辺162cm)の絵を1点送ろうかと思っていたのだが、50号でも十分目立っていたわけだ。出入り自由のスペースなので、入居企業の従業員や来客が行き来する一方、観光客らしき人が来ては写真を撮ったりもしていた。主催者によると、1日3000人(ということは会期中6万人?)が展示を見たそうだ。
【海外の最新記事】