2016年03月06日

トークで歌う浅野綾花

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台北のアートフェア、Infinity Japan 2016の関連イベントとして、会場のホテル、Miramar Garden Taipeiの一室で3人の日本人アーティストによるトークショーが開かれた(2月27日)。井上裕起さん、加藤美紀さんとともに出演した浅野綾花は40人ほどの聴衆を前に、今回出品した顔のシリーズについて説明した。

会場の方がカタログをめくって目に留めた作品は「君とデートがしたい」(I wish to have a date with you、2015年、エッチング、コラージュ)だった。ウォン・カーウァイ監督の映画「恋する惑星」(1994年)で主人公を演じたトニー・レオンの顔の輪郭を使った作品である。制作の背景については、1年前、「『恋する惑星』のトニー」のところで書いた通りなのだが、浅野は「チョンキン何とか」と言ったきり、映画について説明しきれない(英語のタイトルはChungking Express、原題は「重慶森林」)。

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トニー・レオンの若いころの映画と言っても聴衆はピンと来なかったため、浅野は両手でマイクを握り、映画の中でフェイ・ウォンが歌った「 夢中人」を歌ってみせた(歌詞はなし)。こちらとしては昨年、映画のロケ地である香港の重慶大厦まで行っているので、あの世界がぐっと近づいたのだが、台湾の方には伝わったかどうか……。

翌日、ボランティアの若い女性2人が展示の部屋に来たときも、浅野が作品の前で「夢中人」を歌ったが、やはりわからずじまい。その代わり、近くにあった作品を指して「蒼井優」と言うと、即座に日本語で「あー、森ガール!」。台湾では香港映画より日本映画の方が知られているのか、単に世代の問題なのか。アジアでポップカルチャーの断片がどのような飛び散り方をしているのかは興味深い。上の画像は浅野(左)と加藤美紀さん、下の画像はトークの様子。
posted by Junichi Chiba at 21:51| 海外