2016年03月04日

おおらかな台北

Infinity Japan 2016.JPG
台北のアートフェア、Infinity Japan 2016(2月26〜28日)に参加した。Miramar Garden Taipeiが舞台のホテル型フェアだ。台北は大阪市よりも人口が多い大都市なのだが、おうようというか、こせこせしていないというか、ゆるい空気が流れていた。ホテルに着いたときからゆるゆるで、なかなか香港のようには仕事のスイッチが入らなかった。

先にホテルにチェックインしたのはスタッフのKであった。フロントでパスポートを見せ、アートフェアに出展する橘画廊だと伝えたら、登録されている名前と違うと言われた。「それはボスの名前です」と返したら、「あ、そうですか」と、簡単にカギを渡されたらしい。マニュアルではチェックインのときに3000台湾ドルの保証金を払うことになっていたようだが、保証金を払わず、クレジットカードの提示もせず、名前も書かずであった。

少し遅れてチェックインした私は展示の部屋とは別の部屋に宿泊するつもりでいたが、やはり橘画廊だと言っただけで、名前も住所も書かず、クレジットカードの提示もしないままカギを渡された。部屋はフェアの会場と同じフロアだったので、主催者が抑えている部屋の一部を回したということだったのだろう。もしかしたら私はスタッフルームに寝ている人という位置づけで、宿泊者としてチェックインすらしていなかったのかもしれない。

主催者が抑えている部屋であれば、ホテル側としては料金の取りはぐれはないということなのだろうが、私としてはいつ、どういう形で請求書が回ってくるのか、不安がないでもなかった。結局、最終日、撤収に入ってから、主催者に部屋代のことを言ってみたら、すっかり忘れていた。踏み倒せばよかったかなとも思ったが、自主的に金額を言い、クレジットカードでの決済を代行してもらった売り上げから部屋代を引いてもらって精算した。

驚くことはほかにもあった。たとえばカタログの橘画廊の出展アーティストのところには柴田謙司や浅野綾花と並んで、Taikan Yokoyama、Shoen Uemuraなどと書かれていた。えっ、横山大観? 上村松園? うち、現代アートのギャラリーなのですが? という感じで、なぜ、その名前がそこに書かれているのか、まったくわからなかった。しかし「細かいことは気にするな」的なムードが強いため、台北にいる間は「まぁ、それでもいいか」と思えてしまうのである。写真はInfinity Japan 2016の橘画廊展示風景。
posted by Junichi Chiba at 19:27| 海外