2015年06月12日

笑顔の3分間トレーニング

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初めて百貨店で展覧会をしている(6月10〜23日、阪急うめだ本店10階スークギャラリー)。当然、初めて経験することばかりなのだが、1日目の軽い衝撃は朝礼での「笑顔の3分間トレーニング」であった。眼球を回したり、頬の筋肉を動かしたりして、生き生きとした表情をつくるトレーニングだ。

館内放送で流れる女性のかけ声に合わせて、フロアの人たちが同じ行動をとる。たとえば、「ギュッ、パッ、ギュッ、パッ」という声とともに、まぶたを閉じたり開いたり。その後には、口角(唇の両脇)を上げたまま1分間持ちこたえるという練習もある。「ほっぺたが痛くなるくらい口角を上げてがんばってください」と励まされても、初心者にはなかなか難しい。派遣スタッフの方から「千葉さん、楽しそうにやってましたね」と言ってもらったが、顔が引きつっていたのではないかと心配だ。

画廊と大きく違うのは建物の空間だろう。なにしろ、今回展示しているスペースの十数メートル先には、9階の「祝祭広場」を見下ろす大階段がある。この広場と階段の上12階までは広大な吹き抜け空間だ。普段、築50年のビルの地下でひっそりと暮らしているだけに、この開放的な空間はまぶし過ぎる。「祝祭広場」では毎日のようにイベントがあり、われわれの展覧会初日には愛犬家向けの「阪急ハロードッグフェスタ」が始まった。

「ハロードッグフェスタ」ではクイズ大会もやっていた。「高速道路でも走れるほどの脚力を持つ犬がいる。○か×か!」といった質問が出て、正解の発表時には縦、横6メートルの大型映像装置に犬の画像が映される(ということは○だ)。好奇心に駆られ、通路でそんなイベントをのぞいていると、お客さまに「トイレはどこですか」などと聞かれるので気が抜けない。そういうときも、とっさに笑顔で対応できないといけないのだろう。

街中のギャラリーとも展示場やホテルのアートフェアとも違う環境で、柴田謙司の写真と菅かおるの日本画を売っている。橘画廊の方では27日まで伊東敏光展を開いているので、しばらくは行ったり来たりの毎日だ。写真はスークギャラリーでの展示風景。
posted by Junichi Chiba at 00:22| アート