
ロサンゼルスのアートフェア、LA ART SHOW 2015が終わって1カ月余りたったころ、ロサンゼルスに拠点を置くアートのウェブマガジン、be-Art magazineからメールで連絡があった。あなたのギャラリーをベストギャラリーの部門で取り上げたと、短く書かれていた。リンク先のアドレスが表示されていたのでページを開いてみると、なんと「Best Booth: Tachibana Gallery, Osaka, Japan」の文字が目に飛び込んできた。http://www.beartmagazine.com/los-angeles-art-show-2015-edition/
LA ART SHOW 2015に参加した116のギャラリーの中から橘画廊がベストブースに選ばれたのだ。同じページをスクロールすると、会場風景の写真がいくつも現れて、ハリウッド女優も歩いた、あのきらびやかな舞台の記憶がよみがえってきた。会場にいたときは時差ぼけのせいもあって、そもそも現実感に乏しかったのだが、こうしてレビューに位置づけられると、自分たちがどのように見られていたのか確認することができる。
「アートフェアでは、ギャラリーは多くのアーティストの作品を展示しがちだが、橘画廊は日本の彫刻家、伊東敏光の異例の個展を開いた」と、寸評に書かれていた(実際には世良京子の平面作品も展示していたので、個展ではなかった)。たしかに、メーンの作品「AA60」をしっかり見せることがロサンゼルスでの方針であった。その点を評価していただいたことは素直にうれしい。
飛行機型彫刻「AA60」の胴体部分の素材であるベイマツ(広島大学旧体育館の梁)は1930年代に米国から日本に輸入されたと推定されている。1月16日、アートフェアの会場で開かれたシンポジウムで、伊東はこの木材について「アメリカに帰してあげたいと思い、連れてきた」と話していた。展示がベストブースに選ばれたのだから、ベイマツも七十数年ぶりに里帰りしたかいがあったというものだ。
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